手作業を85%カット
図面生成作業で節約できた時間
地域:APJ
業種:製造業
部門:IT、オペレーション
企業の概要:東洋エンジニアリング株式会社は、1961年に設立された日本のエンジニアリング、調達、建設会社であり、主に世界中の炭化水素および石油化学分野にサービスを提供しています。
東洋エンジニアリング社(以下、TOYO)は、エクソンモービル社やBASF社をはじめとする多数の大手グローバルブランドにおける建設実績を誇り、炭化水素(石油・ガス)や石油科学セクターにおける大規模化学プラントの設計・調達・建設(EPC)を請け負う総合エンジニアリング企業です。
最先端の化学プラントの建設は、製造するすべての部品に緻密な設計が求められる大がかりな事業であり、TOYOのDXエンジニアリング部は、プラント建設時の配管の設計・製作に使用される3DCADソフトウェアなどをはじめとする、EPCプロジェクト向けのエンジニアリングツールアプリケーションを担当しています。
同チームは、Hexagon社が提供する3次元CADシステムであるSmart 3D(S3D)を活用し、あらゆる工程をデータ化していますが、1つのプロジェクトの3Dデータベース内には通常数万以上のテーブルがあり、その各テーブルには数百万もの膨大なレコードが格納されています。
それらのデータベースから、プロジェクトごとに必要に応じてデータを抽出するためには、数十個ものテーブルをSQLで結合してCSVファイルへ出力し、Excelで処理しなければならず、こうした膨大なレコードを抽出、クレンジング、統合するために、1プロジェクトあたり数千時間もの時間を取られることも珍しくありませんでした。
同社のプロジェクトチームマネージャーのJifeng Qiu氏は、こうしたプロセスがエンジニアの大きな負担となっており、反復的で手間のかかる作業に貴重な時間を奪われていたと振り返ります。「3D管理者は、大量のデータストリームをさばくために、1日または2日ほど他の業務を中断しなければなりませんでした。Excelには再現性がないため、毎日、毎週と、同じ作業を繰り返さなければならなかったのです」(Qiu氏)
また手作業のプロセスには、人的ミスがつきものという問題もありました。「ExcelからExcelへ、もっとひどい時にはPDFからExcelへのコピー&ペーストに追われていました」と、TOYOのAlteryx CoEメンバーである中川一平氏は語ります。さらに、Qiu氏は次のように続けます。「1桁や2桁の数字が欠けていることもありましたが、すべてが正しく進んでいると思いこんでしまい、なかなか気づけない。こうしたミスが下流工程まで見落とされ、1~2ヶ月後にやっと発覚ということも。こうしたことが、不本意な遅れ、手手戻り、コストロスの原因となっていました。 」
そこで、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進を全社的な取り組みとして掲げているTOYOは、DXエンジニアリングチーム内でAlteryx ServerとDesignerを導入し、データ抽出やレポート作成、3Dモデリングの作業、設計品質の管理チェックといった煩雑で時間のかかるプロセスの自動化を目指しました。
自動化の鍵となったのはAPI接続でした。TOYOは、エンジニアがAlteryx内でモデルを構築できるように、AlteryxとS3D APIを使用して設計ルールを自動化しました。
Alteryxを使用することによって、SQLの種類を大幅に減らし、目的の異なる複数のレポートを同時に作成できるようになり、ワークフローによっては最大30種類のレポートを一度に抽出することも可能になりました。Qiu氏のチームは、現在Alteryx Server上で複数のプロジェクトに対して毎日100以上のスケジュールを実行し、250種類のレポートと1,700個のファイルを作成しているそうです。「Alteryxは不可能を可能にしてくれます。Alteryxの導入前は到底不可能だと思っていた、建設用のDWGの生成に必要となる複雑な3Dモデリングの作業プロセスもAlteryxで自動化できました」と、3D CAD R&Dのタスクリーダーである土屋大輔氏は語ります。各プロジェクトで少なくとも38,000時間を節約できており、工数では85%もの削減につながったと、土屋氏は続けます。
「Alteryxを使えば、データETL作業の生産性を大幅に向上できるだけでなく、Power BIやTableauと連携してデータを可視化することもできます。しかも、そうしたプロセスが簡単に再現できます」
Jifeng Qiu氏
東洋エンジニアリング社、プロジェクトチームマネージャー
Alteryxは簡単に使い始められ、短期間のうちに価値創出へとつなげることが可能です。ノーコード・ローコード、ドラッグ&ドロップで簡単に利用できることから、TOYOのあらゆるスキルレベルのユーザーがデータ専門家のサポート不要でワークフローとレポートを作成できるようになったそうです。
「Alteryxは、ITやプログラミングのスキルがないExcelユーザーでも簡単に使うことができます。誰でもワークフローを簡単に開発し、必要なアウトプットを自分で手に入れられます」と、R&Dチームのシニアエンジニアである時松基氏は語ります。
さらに、エンジニアやビジネスユーザーに自動化分析を提供することは、TOYOのDXへの取り組みとデータドリブンな企業文化の加速にもつながっており、Alteryxの導入によって節約できた時間を有効活用することで、さらなるイノベーションの創出に向けた新たな機会も生まれたそうです。「節約できた時間を教育や設計品質の向上に充てられるようになりました」(中川氏)
設計品質の向上は、設計の変更、手直し、建設現場での費用削減などの、さまざまな下流工程にメリットをもたらします。例えば、衝突や設計ミスを回避するために配管ルートを修正するなど、施工業者の問題の解決に向けて発行されるFRI(現場修正指示書)でも、Alteryxが大いに役立っているそうです。「FRIで何かミスが見つかった場合は、10倍ものコスト負担を覚悟しなければならないこともあります」(Qiu氏)
TOYOでは、Alteryxによって設計品質管理の分析を自動化することで、施工現場での図面チェック工数や手戻りの回数を大幅に減らし、施工中にミスが見つかった場合のコスト負担のリスクを大幅に軽減できるようになったそうです。
Qiu氏は、今後のAlteryxの活用に無限の可能性を見いだしており、現在は、AIを活用した予測機能により、過去のデータに基づいて自社顧客により良いコスト見積もりを提供する方法を検討しているそうです。
Qiu氏のチームの誰もが、時間のかかる手作業から解放されたことに満足しながらも、さらに完璧な製品を作り、顧客満足度を向上させるために、Alteryxのような先進技術をより良く活用できるように日々専念しているそうです。
Alteryxは生産性を向上させ、反復的な手作業に費やす時間を大幅に削減します。
直感的なドラッグ&ドロップ機能により、技術者以外のユーザーでも、ワークフローを簡単に構築し、レポートを生成できます。
Alteryxを使用して手動プロセスを自動化することで、人的ミスに起因する部品の設計不良などのリスクを排除します。
地域:APJ
業種:製造業
部門:IT、オペレーション
企業の概要:東洋エンジニアリング株式会社は、1961年に設立された日本のエンジニアリング、調達、建設会社であり、主に世界中の炭化水素および石油化学分野にサービスを提供しています。
の最大手メーカーがAlteryxを活用しています