RCI Bank and Services 社が Alteryx でデータ管理を変革し、ビジネスを推進

RCI Bank and Services社 (以下、RCIバンク&サービス) は、ルノーグループの金融サービスブランドです。フランス発の多国籍企業であるRCIバンク&サービスは、ルノーグループの傘下であるRenault、Dacia、Nissan、Infinitiなどのブランド向けに金融商品やサービスを展開し、50年以上に渡り自社ブランドにおいて融資が必要となる販売プロセスを支援しています。RCIバンク&サービスは金融サービス市場と自動車産業における豊富な経験や知見を活かしてお客様のニーズを細やかにくみ取り、多様な商品戦略を展開することで、最高の品質基準とアフターセールスの満足度を実現しています。

デジタル化とデータ管理の重要性

同社は、信用供与や融資の利用を希望する個人や企業のお客様にサービスを提供するとともに、デジタル化やデータ管理などの分野にも力を入れています。「RCIバンク&サービスの最高データ責任者であるJaime Periquet氏は次のように述べています。「金融サービスの世界においても、テクノロジーとデジタル化が最重要課題となっており、私たちは常にその最先端を目指しています。私たちはデータに重点を置いています。データは会社の主要な資産であり、事業戦略に不可欠なビジネスの要的存在です。当社は、他のグループの関連会社に比べ売上高の低い子会社ではありますが、データ活用によってルノーグループのビジネスを加速させていると自負しています。私たちはスタートアップ企業との連携を得意としており、ルノーグループの技術ベンチマークとして、高いサポート率と極めてアジャイルな対応を実現しています」。

Periquet氏は次のように続けます。「スペインのRCIバンク&サービスはAlteryxの活用によって予測モデル導入の最前線に立ち、金融機関のさまざまなニーズを満たす実用的な予測モデルを提供しています。当社では、データウェアハウスを導入してデータを管理し、データ関連のサービスを提供しています。20年の豊富な経験を生かして、データ戦略の変更をグローバルにサポートし、時にはリードしています。当グループでは、データ部門を設置し、最高データ責任者を置くとともに、データガバナンス戦略や、グローバルにデータを管理するための責任、役割、技術、構造を規定したターゲットオペレーティングモデルを導入しています」。

Alteryx 導入以前の技術環境

Alteryx の導入以前、RCI バンク ＆ サービスの社員は、表計算ソフトを用いて価格設定、リスク計算、売上予測、業績予測、債権回収などを行っていましたが、 こうしたプロセスでは、イノベーションが生まれにくい、新規のプロジェクトを推進しづらいといった課題がありました。 同社では多数のソリューションを管理しており、 既存のツールとしては、SAS をベースとした信用格付けツール、Oracle のデータウェアハウス、暫定的な基幹システム、業務 BI レポート用の Business Objects や CRM ツールである SalesForce、会計用の SAP などがあり、 さらには ETL やウェブ分析用の社内アプリケーションも利用されていました。 そして、これらツールのデータが完全に分散していたことから、チームの業務の一貫性を保つことが難しく、ミスや遅れにつながる原因となっていました。

Alteryx の利用を開始

このような中、RCIバンク&サービスは、経営管理部門のユースケースを通じてAlteryxの威力を実感することとなりました。それは、非常に複雑なデータをつなぎ合わせ、数式を含むExcelファイルを自動化し、クレンジングを行うというETL (抽出、変換、書き出し) のプロジェクトでした。これがきっかけとなり、同社はAlteryxの導入を決意しました。クリックやドラッグアンドドロップなどの簡単な操作で、複雑なコードを記述せずにデータを自在に活用できるAlteryxは、世界規模での戦略的な投資になるとの結論に至ったのです。これにより、ワークフローの管理や新たなワークフローの作成が簡素化され、業務効率が大幅に向上しました。

現在は、データチームやリスク部門を始め、複雑なプロジェクトに携わるあらゆる人々が Alteryx を活用しています。 「Alteryx の活用により、データチームがデータを繰り返し構築するのではなく、よりスマートな方法でデータの管理と価値の提供に集中できるようになり、仕事への取り組み方や自由度が大幅に改善しました」と、Jaime Periquet 氏は語ります。

Alteryxの導入により、ETLツール (データの抽出、変換、書き出しを行うプロセス) とデータサイエンスが民主化され、これまでハードルが高いとされていたデータ業務が誰にとっても身近なものとなりました。テクノロジーによってデータをスムーズに統合し、組織内のあらゆる部門がデータを活用できるようになったことで、同社の作業スピードは10倍以上に向上し、より柔軟な作業プロセスによって生産性も大幅に向上しました。RCIバンク&サービスでは、5つのデータアプリケーションを使用していた状況から、30以上のアプリケーションを並行して管理できるようになり、そのどれもが意思決定に欠かせないものとなっています。

Alteryxの導入後、ただちに RCI バンク ＆ サービスは成果を実感し始めることとなりました。 表計算ソフトでのデータ処理を最適化したことで、数週間のうちに大幅な業務効率化を実現し、 導入後半年足らずで、高度な分析モデルによってビジネスにプラスの影響をもたらせるようになりました。

プロセスへの影響とビジネスの変革

「Alteryx は既存のテクノロジーを置き換えるものではありません。 あらゆる既存ツールのパフォーマンスを強化し、より連携の取れたテクノロジーエコシステムを構築するための鍵となってくれます」と、Jaime Perquet 氏は説明します。 RCI バンク ＆ サービスは Alteryx で新しいアプリケーションを構築することで、以前は数か月かかっていたプロセスを、 わずか数日で完了できるようになりました。 これにより、あらゆる社員が企業に真に付加価値をもたらすタスクに専念できるようになり、これまでになくスピーディーな対応が実現しました。

Alteryx のテクノロジーを活用することで、データ管理、複雑な予測モデリング、人材リソースの最適化が可能となり、RCI バンク ＆ サービスは飛躍的な成果を挙げられるようになりました。 一例を挙げると、同社は毎年約 20 万通の E メールを受信しており、 かつては複数の専任スタッフでメッセージの分類や処理を行っていました。 Alteryx の導入後、SFDC（セールスフォース・ドットコム）に接続し、特定のキーワードを用いて予測モデルを作成することで、 現在は、90％ 程度の成功率で E メールを 40 のカテゴリに分類できるようになりました。 Alteryx の使用により、RCI バンク ＆ サービスはコンタクト率（お客様と通話できた割合）を 50% から 80% に改善し、レピュテーションリスク（評判リスク）を大幅に減らすことに成功しました。

また、Alteryxで学習させた予測ロジスティック回帰モデルによる自動与信の割合を増やすことで、検証担当者の時間を大幅に削減して、より価値のある業務に取り組むことが可能となり、業務効率や予算にも大きな影響を与えることができるようになりました。さらには、不正検出モデルの活用により、手作業での確認を大幅に減らすことにも成功しました。これらにより、担当者が作業時間を大幅に短縮化するだけでなく、不正行為を40％削減することが可能となりました。こうした改善はリスクコストにも及び、現在では約30％減少し、年間で数百万ユーロの節約となり、純収益が大幅に増加しました。同時に、この新しいシステムの導入により、エラー率が50%減少し、ミスをほぼ回避できるようになりました。

これらのビジネスプロセス上のメリットは、貴重な人材の定着率にもプラスの影響を与えており、 以前 20% 程度だった離職率は10% 以下にまで低下しました。 また、テクノロジーはチームのモチベーションを高める上でも役に立っています。

RCI バンク ＆ サービスは、年間 20 万通以上の E メールを自動化して分類・処理し、90% の成功率でリソースを最適化しました。 また、Alteryx で学習させた予測ロジスティック回帰モデルによる自動与信の割合を 30% 程度増やしたことで、 検証担当者の時間を大幅に削減し、より価値のある業務に取り組むことが可能となり、 業務効率や予算にも大きな影響を与え、社員の労働環境も大幅に改善されました