Mayborn Group社、Alteryxで顧客インサイトを強化

Mayborn Group社は、Tommee Tippee（転ばない重りのついたベビーカップ）というアイデアの発表以来、赤ちゃんや保護者の生活をより快適にする革新的なベビー用品メーカーとして圧倒的な支持を集めてきました。同社は50年以上前にイギリスで設立され、数々の受賞歴を誇り、現在では世界60か国で多様なベビー用品を展開しています。

Mayborn社のベビーブランドが店舗やオンラインで人気を集める理由の一つは製品の革新性ですが、ビジネスの成功を支えるもう一つの強力な要因は、舞台裏でのイノベーションです。

Mayborn社のデータチームは、Alteryxを分析戦略の基盤として活用し、データの処理と分析方法を刷新。これにより、手作業のプロセスを削減し、顧客インサイトを向上させ、売上を増加させることができました。

グローバル規模でデータの全体像を把握

何百もの製品と小売業者を抱えるグローバルブランドであるMayborn社では、社内外の100以上のデータソースを統合し、市場や顧客の行動を地域や小売業者レベルで理解することが大きな課題となっていました。当時、データは手動で統合され、地域ごとに個別に処理されており、全体像の把握が非常に難しかったのです。

「Alteryxを導入する前は、データを統合することが非常に困難で、当時の技術では全体像を提供することはできませんでした」と、Mayborn Group社のアナリティクスマネージャーである、David Elliott氏は振り返ります。

現在、チームはAlteryxを利用して、分散したデータセットを統合し、電子販売時点情報（EPOS）のデータを分析するプロセスを自動化しています。「Alteryxは当社の分析業務に欠かせません。Alteryxを活用してデータを一つの絵としてまとめることで市場の動向を把握し、製品の品質や競合への対応など重要な分野に注力し、市場でより迅速にアクションを起こせるようになりました」（Elliott氏）

「手作業で行っていた週次のプロセスをAlteryxのワークフローに置き換え、手作業を80%から90%削減できました」（Elliott氏）

販売促進のROIを最適化

時間のかかるデータ作業をAlteryxで処理することで、分析チームは製品プロモーションの評価と最適化といった付加価値の高い取り組みに専念できるようになりました。

Mayborn社とその小売業者は、他のブランドと同様に、「2個分の値段で3個」や「20%オフ」といったキャンペーンを実施して、オンラインや実店舗での購買意欲を促しています。

Mayborn Group社のビジネスインテリジェンススペシャリストである、Mark Little氏は次のように語ります。「営業チームは、プロモーションに費やした費用のROIを知りたがっていましたが、当時はその質問に答えることはできませんでした」

そこでまず、ExcelのプロモーションデータをAlteryxのワークフローに取り込み、特定の製品に対するプロモーションの影響を分析し、在庫の増加を予測し、社内データと組み合わせてプロモーション価格戦略を決定しました。

さらにAlteryxを使って、各小売業者ごとの日々の平均的な販売活動を確立し、製品プロモーションの有効性を比較し、報告できるようにしました。「これにより、どのプロモーションがどのような小売業者で効果的であるかを表す数字を入手できました。そして、その情報に基づいて意思決定を行うことによって、継続的な改善を加えたり、別のプロモーションの導入を決定したりできるようになりました」（Little氏）

分析チームが収集したデータインサイトはMayborn社のアカウントマネージャーに提供され、小売業者とのプロモーション評価に活用されます。「データを使って販促プログラムを最適化し、小売パートナーに提案を行うことで、互いにメリットのある協力的なプロセスを実現できます」（Elliott氏）

来年の製品プロモーションにおいて、データに基づいた意思決定により、チームはROIの大幅な向上を見込んでいます。

分析チームは、プロモーションキャンペーンの一環である製品の需要予測にもAlteryxを活用しています。「ワンクリックで、需要計画担当者は同様のデータセットを利用して、各小売業者の予測を立てることができます」（Little氏）

期待感を高め、未来を見据える

こうしたプロモーション評価プロジェクトは、ビジネス全体で協力して結果を変革し、分析の力に対する熱意を高める効果があります。今回は、商業財務、カテゴリーマネジメント、データチームとのパートナーシップによって成功を収めることができたそうです。

「付加価値の高いプロジェクトに重点的に取り組むことによって社内で話題となって、期待感が高まり、もっと関わりたいと思う人が増えるというポジティブな連鎖が生まれています」（Elliott氏）

Elliott氏とLittle氏は、今後Alteryxをどのように活用するかについて多くのアイデアを持っており、機械学習から地理空間、予測分析まで幅広い可能性を見据えています。

ベビー用品を購入する際にAlteryxのような技術ソリューションが意識されることはありません。しかし、データインサイトを加速させるというAlteryxの舞台裏での活躍は、Tommee Tippeeブランドが「世界一のペアレントケア企業」になるというビジョンを達成するために欠かせないものとなっています。