財務部門の主要なプロセスを自動化することで、年間 100 万ユーロを削減
ワークフローを活用して KPI を監視することで、データの品質と衛生管理を改善
注文情報の精度を 92% へと向上させ、より正確な計画とスケジュールを実現
地域:EMEA
業種:エネルギーおよび公益事業
部門:IT、オペレーション
企業の概要:Ansaldo Energia社は、イタリアのジェノバに本社を置く電力エンジニアリング会社です。親会社であるGio. Ansaldo & C.社は1853年に設立され、その後Leonardo社に吸収合併されました。2011年には、Leonardo社がAnsaldo Energia社の株式の45%をFirst Reserve Corporation社に売却しました。
Ansaldo Energia 社は、約 200 年にわたり、90か国以上で火力発電所向けの発電機とタービンを製造しています。 同社が機器や部品を納期通りに完成させ、お客様にお届けするためには、プロジェクトとリソースに関する綿密な計画が欠かせません。
Ansaldo Energia 社のマスタープランナーである Guglielmo Mantero 氏は、同社のスケジュール担当者と緊密に連携して製造ラインの短期・長期的な戦略を策定し、サプライチェーンが同社のニーズを満たす役割を担っています。 Mantero 氏は次のように説明します。「当社では通常、半年から 1 年のスパンで製造スケジュールを設定していますが、 必要に応じて一時的な、より短期での計画も立てています」
Ansaldo Energia 社のリソース計画データの主要ソースである SAP には、さまざまな部門やチームからのデータが入力されますが、 そうしたデータにはサプライチェーンに悪影響を及ぼす不正確なデータが含まれていることが多く、Mantero 氏のチームはこうした課題の改善に取り組んでいました。 「適切なチェックを行わないと、不正確なデータが SAP に紛れ込んでしまいがちです。SAP から引き出されたデータはさまざまなシステムやプロセスに使用されるため、汚染の拡大も深刻な問題となっていました」と、Mantero 氏は語ります。
そこで Mantero 氏とチームメンバーは、ERP と SCP のデータの正確性を確認するための KPI(発注書の日付が正しいかどうかなど)の作成に取り掛かることとなりました。 発注日の間違いは、部品の発注タイミングのズレにつながり、企画部門が綿密に作成した製造スケジュールや予算に支障をきたす恐れがあります。
チームは、これらの KPI を監視し、データの品質と、不正確な情報や古い情報が Ansaldo Energia 社の製造プロセスに与える実際の影響を追跡するための新たな方法を模索しました。
Alteryx の学習リソースやコミュニティの充実度には目を見張るものがあります。 初心者でもすぐに Designer を使いこなせる環境が整っています。
Guglielmo Mantero氏
Ansaldo Energia社、製造マスタープランナー
そのような中、社内でAlteryxのトライアルが実施されることを知ったMantero氏は、すぐに名乗りをあげました。Mantero氏は次のように言います。「自ら進んでこの任務を引き受けました。私はこのようなツールで作業するのが好きなのです」
Mantero氏は Alteryxアカデミーのインタラクティブレッスンを受けた後、Alteryx Designerの試用を開始しました。そして、SAPのデータを他のデータセットと照合してスプレッドシートに出力し、より実践的な分析を行うことのできるワークフローを構築しました。
その後 Mantero 氏は Alteryx Designer を通じて、部品や材料の発注状況を追跡する KPI や、プロジェクト用にそれらの品目が出庫されたかどうかを監視する KPI を把握するためのワークフローを作成しました。
Mantero氏は次のように言います。「Alteryxによって、このようなKPIの監視プロセスを構築することが可能になりました。表計算ソフトは信頼性や再現性といった点がボトルネックとなりがちですが、Alteryxでは、ロジックが常に一貫しているため、あるワークフローを別のワークフローのフレームワークとして簡単に使用することができます」
このようなデータと分析の自動化の推進は、計画部門だけにとどまりません。 サプライチェーン、総務、財務部門などにおいても、Alteryx を介して分析を加速させ、トップマネジメントに提供するインサイトの質を向上させています。
SAPからのデータ取得を効率化し、サプライチェーンと製造プロセスをより詳細に把握することで、より良い事業計画を実現
データ品質のKPIの監視により、問題となっている領域を特定し、企業全体でより良いデータ活用を推進
今後のプロジェクトや受注に関する詳細かつ正確な情報を入手し、より効果的にスケジュールを組むことで、リスクを削減するとともに生産性を向上
Ansaldo Energia 社のこうした有志によるグループは拡大を続け、わずか数か月のうちに Alteryx Designer で定期的に作業し、Alteryx Server を介してワークフローを実行する 25 人以上のユーザーグループへと成長しました。
当時、企画チームでは、会社のデータ管理状況や不正確なデータが製造工程に与える影響を正確に把握し、改善するためのワークフローの自動化が急務となっていました。
「データ品質を改善するために KPI を作成し、Alteryx のワークフローからのアウトプットを通じて、データ管理における問題点を洗い出しています。 このプロセスにより、改善すべき点が明らかになっただけでなく、社員一人ひとりがデータを正確に解釈し、説明できるようになりました。
これらのワークフローは、現在、Ansaldo Energia 社内のデータ管理の改善に大きな成果をもたらしています。 例えば、計画チームは発電機製造の発注プロセスの問題点を突き止め、導入後わずか 5 か月余りで SAP 経由での注文情報の精度を改善させることに成功しました。 注文情報の精度が 75% から 92% へと改善されたことで、計画担当者やスケジュール担当者が今後の作業をより正確に把握し、より自信を持って予算や製造計画を立てることが可能となりました。
さらに、Ansaldo Energia 社の他の部門でも数々の成果が上がっています。 財務チームは、データの照合、予算編成、損益勘定のプロセスなどを自動化し、年間で 100 万ユーロのコスト削減を実現しました。 また、財務部門は、手作業の削減により部門内のデータ品質を向上させ、同社の経営陣が以前より迅速に、より頻繁にインサイトにアクセスできる環境を実現しました。
Alteryx の用途は無限です。ありとあらゆることを行うことができます。
Guglielmo Mantero氏
Ansaldo Energia社、製造マスタープランナー
長期なメリットとしては、計画部門がデータの一貫性と品質により重点を置くようになったことで、チームがより効果的に作業のスケジュールを立て、製造ラインにおける過剰な支出や人員不足のリスクを軽減できるようになりました。Mantero氏は次のように言います。「Alteryxは、オフィスの変革に不可欠な鍵となっています。今後は、さらに多くのKPIを追跡し、SAPのデータからより有用な洞察を引き出すワークフローを構築していきたいと考えています」
また、社内の他部門においても、自動化を推進し、より迅速かつ詳細なインサイトにリソースを集中させることで、さらなるコスト削減の可能性を探りたいということです。
「Ansaldo Energiaは進化し続けています」とMantero氏は語ります。「Alteryxは、当社の現状と次に進むべき方向を理解するのに不可欠な存在です」
地域:EMEA
業種:エネルギーおよび公益事業
部門:IT、オペレーション
企業の概要:Ansaldo Energia社は、イタリアのジェノバに本社を置く電力エンジニアリング会社です。親会社であるGio. Ansaldo & C.社は1853年に設立され、その後Leonardo社に吸収合併されました。2011年には、Leonardo社がAnsaldo Energia社の株式の45%をFirst Reserve Corporation社に売却しました。