インサイトを加速:マクラーレン F1 や OIG の監査における分析自動化

分析自動化でインサイトを迅速に獲得

テクノロジー   |   Andy MacIsaac   |   2022年3月28日 読了時間の目安:5
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2021 年、マクラーレン・レーシングと Alteryx は技術的提携を結び、F1 レースの最前線に分析自動化を導入することとなりました。 フォーブス誌などにも取り上げられているように、F1 はコンマ数秒の違いが勝敗を分けるスピード勝負のスポーツであり、パーツやプロセスのごくわずかな改良さえもが、レースに多大な影響をもたらしかねません。

 

F1 レースにおいては、ファンがドライバーやレーシングカーを固唾をのみながら見守る中、 マシンと人間が一体となって戦う白熱のバトルが展開されます。 しかし、レース当日の出来事を細かく掘り下げたとしても、それは勝利への道のりのほんの一部に触れたことにしかなりません。

 

「私たちはレーシングチームですが、本質的にはテクノロジービジネスとした方がしっくりくるかもしれません。マクラーレン・レーシングでは、レース当日に最高のパフォーマンスを発揮するために、何十億ものデータポイントを収集・分析し、あらゆる準備プロセスから重要な洞察を得ています。例えば、F1のレーシングカーは8万以上ものパーツで構成されていますが、サーキットでパフォーマンスを発揮するためには、それらが完璧に連動する必要があります。そのため、レースシーズン中には、そうしたマシンパーツの実に90%に変更が加えられることとなります。マクラーレンでは、自動分析を通じて各パーツの性能を評価し、交換が必要な部品に優先順位を付けるとともに、新しいパーツや素材、それらの組み合わせなどを現実・仮想のレース環境でテストすることで、その結果を継続的に評価しています」。

 

マクラーレン・レーシング ビジネステクノロジー部門ディレクター Dan Keyworth氏

 

マクラーレンでのAlteryxの活用例: マクラーレンでは年間23レース (1レース平均78周) に参戦するだけでなく、将来のレース展開を予測し、あらゆる可能性を検証するために約3000万回ものレースシミュレーションを行っています。これらのレースやシミュレーションから生成される膨大なデータを自動分析によって処理し、チーム全体で日々のオペレーションから得られる全データを共有し、洞察を深め、パフォーマンス向上につながる機会を特定しています。つまり、マクラーレンではAlteryxであらゆるデータを組み合わせ、さらなるシミュレーションを行うことで、さまざまな変更がレーシングカーやドライバーにどのように影響するかを確認し、パフォーマンスの向上に役立てています。

 

チームスポーツとしての分析自動化

 

マクラーレンは、Alteryx の活用により、データ活用のプロセスを一新し、より良い意思決定を実現しています。 レース結果やシミュレーションの分析の質と効率を高め、より良い洞察を得られるようになれば、マクラーレンのようなレーシングチームが、レーシングカーの高速化など、より多くのことを実現できるようになります。

 

一方で、米国連邦政府機関の監察総監室(OIG)における監査業務は、F1 レースのような速いペースでは進みません。しかし、故意の攻撃やシステム障害、人的ミスなどによる損失からリソースや重要なシステムを守り、監査プロセスを高速化し、ミッションを達成するには、あらゆるデータを形式や複雑さに関わらず迅速に活用したり、新たなデータソースから取り込んだりする能力が不可欠となっています。 監察総監室(OIG)やその監査チームは、Alteryx の導入により、マクラーレンチーム同様に分析プロセスの高速化・効率化を実現し、次のようなことを実現しています。

 

  • 数十万セルにも及ぶ情報をクイックに検索。
  • 追加データをスピーディーに活用し、より詳細な分析を実行。
  • 政府の監査基準を満たす透明性の高い分析により、監査プロセス全体の可視性を向上。

Alteryx Analytics Automation Platform(現在は Trifacta も利用可能)であらゆるデータソースからデータを迅速に取り込み、インサイトの創出を加速。国防総省(DoD)の 2021 年度の総合監査においても、大幅なプロセスの改善と高速化を実現。

 

政府機関におけるAlteryxの活用例: 2021年度のDoDにおける監査では、1,200人以上の監査担当者による278件の現地での監査と1,069件のオンライン監査を通じて、DoDの業務プロセスや活動が幅広く検証されました。監査担当者から求められた書類は約34,000点、テストしたサンプルは約55,000点にものぼります。DoDは、Alteryxの導入により、次のように組織全体のデータと分析を民主化することで、監査プロセスの大幅な効率化を達成しました。

 

  • 7,000 人以上のユーザーと 1,200 の異なるシステムをサポート。
  • セルフサービスでの分析自動化により、何か月もかかっていたプロセスが数週間に短縮。
  • データ品質エラーを排除しながら、プロセスの速度と規模を向上。

このように、Alteryx の分析自動化は、レースカーの 8 万ものパーツデータの分析においても、世界最大級の複雑な組織の財務データの分析においても、レーシングチームや監査チームのニーズに応え、大幅なパフォーマンスと業務効率化を実現しています。

 

分析の透明性が求められる時代へ

 

OIG の監査業務においては、高い分析の透明性が求められます。 Alteryx では、分析自動化ビルディングブロック(データ変換、整理、計算などを行うことのできるツールアイコン)により、ワークフローのプロセスを容易に可視化したり、作業工程を文書化したりして、分析の透明性を保つことができます。 これにより、政府の監査基準を満たす透明性の高い分析を実現し、OIG が監査プロセス全体を容易に可視化することができます。

 

また、Alteryx のパートナー企業から、Alteryx プラットフォーム内の分析ワークフローを自動的に文書化する機能も登場し、透明性の改善に向けた取り組みをさらに強化することも可能となっています。

 

Alteryx について

 

Alteryxの簡単な紹介動画を、こちらからご覧いただけます。また、2023年5月、アメリカラスベガスで開催されるAlteryxのスペシャルイベントAlteryx Inspireにも、ぜひご参加ください!

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