バーバラ・コーコラン氏は、困難な時代にビジネスを構築し、チームを成長させ、新たなビジネスチャンスを見出すスペシャリストであり、1,000ドルの借金を元手に50億ドルの不動産帝国を築き上げた実業家として知られています。世界で最も成功を収めている女性起業家の一人であるコーコラン氏は、複数のベストセラー書籍を出版し、Business Unusualという人気ビジネスポッドキャスト番組を運営しています。また、エミー賞4回の受賞歴に輝く米国の人気TV番組「シャーク・タンク」で過去13シーズンにわたり、シャーク(審査員・投資家)として出演しています。
今回はコーコラン氏にAlteryxのAlter.Nextオンラインサミットにご登壇いただき、インテリジェントな意思決定にデータと分析が不可欠である理由や、不確実な時代にビジネスのレジリエンスと収益性を高める方法などについてお話を伺いました。
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データ分析によるビジネスの意思決定の改善
コーコラン氏の早期成功の鍵は、これ以上失うものが何もない状態からスタートし、すべてを糧にしながら、野心を抱き続けてきたことにあります。 また、コーコラン氏はデータ分析の重要性にもいち早く気づき、取り入れてきました。
80年代初頭には株式市場の崩壊により、不動産市場が低迷し、コーコラン氏にはマーケティングに使える資金が一切ない状況に陥りました。 しかしコーコラン氏には、ある秘策がありました。
その年は、65件の売却を想定していた不動産がわずか11件しか成約に至りませんでしたが、 コーコラン氏は、その売却した11件の不動産価格を平均し、1枚のレポートを作成し、 不動産の統計、状況、傾向などを解説しました。 そして、2週間後、その「コーコラン・レポート」は、New York Times誌の表紙を飾ることになりました。 その後コーコラン氏のビジネスは飛躍的な成長を遂げることとなり、コーコラン氏自身がデータ分析の重要性を身をもって実感した出来事となりました。
コーコラン氏は次のように語ります。「お客様は新たな営業の提案や、皆さんがどれだけ立派な人であるかといった話には興味はありません。彼らが求めているのは、統計情報なのです」。さらに、コーコラン氏は、データが適切なビジネス上の意思決定の鍵であると付け加えます。「今日、私は何百ものビジネスに投資し、統計がビジネスをどのように動かすのかを教えています。誰でもデータを持っているのに、人々はそのことに気づきません。だから使えないのです」
逆境をチャンスに変える
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進の重要性について、コーコラン氏は次のように語ります。「DXは単にビジネスを加速させるだけでなく、生き残るための唯一の方法です。 熾烈な競争が繰り広げられる中、 変化をためらったり、変化を受け入れないままでは、ビジネスを失うことになりかねません」
コーコラン氏は、企業が果敢に挑戦すれば、逆境の中でも大きなチャンスをつかむことができると言います。「私はシャーク・タンクで130ほどのビジネスに投資し、それらの企業をコロナ禍で支援しました。コロナ禍が変化と苦難の時であることは誰もが認めるところですが、私が支援した企業のうち20社は少なくとも2倍の成果を上げました。なぜそうなったのか。そうした企業はデジタルの変化を喜んで受け入れたのです」
コーコラン氏は、適応と成長はビジネスと密接に関係していると言います。「もし、デジタルの変化を受け入れて『勝つためにはそれをどうビジネスに取り入れるべきか』と考えられないのであれば、ダメですね。もう店じまいすべきです。それは単なる現状維持に過ぎませんから。現状に甘んじて成長しないのなら、ビジネスの醍醐味は味わえません」
また、コーコラン氏は、DXを受け入れられなかった企業についてこう語りました。 「彼らはただ待ち続けた結果、 生産性が低下し、規模が縮小し、何もかもが小さくなりました。チャンスを無駄にしたからです」
コラボレーションを差別化要因にする
どの業界においても、より大きな成功を収めるためには部門横断的なコラボレーションが不可欠ですが、特にデータと分析の分野では、より複雑なコラボレーションが求められます。 「コラボレーションは最重要事項です」とコーコラン氏は断言します。 「今日のビジネス環境は劇的に変化しており、私がコーコラングループを立ち上げた頃とは全然違います」
コーコラン氏は、コラボレーションを最重要視しており、主要ステークホルダーとのブレーンストーミングの場を設け、新しいアイデアを出し合うようにしているそうです。 「素晴らしいアイデアがどこから出てくるのかは誰にもわかりません。 だから皆の意見に耳を傾けるのです」
効果的なチームを作るには、優れたリーダーも必要です。「『社員が自分のために働いている』と考えていては、社員の最高の能力を引き出せなくなります。私が社員のために働いているのです。『彼らの仕事を容易にするには?彼らが取り組んでみたいことは?彼らが一番好きな仕事は?もっとやりたいことは?』と考えるのが私のやり方です」
新しいことを試す、失敗を恥じない、どんなことも業務に取り入れてみるなど、リーダーはチームにあってほしい姿を自分自身で体現する必要があるとコーコラン氏は語ります。 「こういった姿勢でのぞめば、チームはついてきてくれます」
さらにコーコラン氏は、「私達は利益を上げるためにビジネスをしており、 商品を扱っていると思いがちですが、 違います。 私たちは人と人とのビジネスをしているのです。 会社は、チームが強ければ強く、チームが弱ければ弱いのです」
バーバラ・コーコラン氏の話にもっと耳を傾けませんか?
デジタルトランスフォーメーションでデータ分析を活用し、ビジネスを加速させる方法を解説するコーコラン氏のインタビューの完全版をぜひご覧ください。