MIT Sloan の 2020 年のレポートでは、CFO が人工知能(AI)の推進役としての役割を自覚することで、AI 戦略や導入に関して多大なリーダーシップを発揮できるようになると論じられています。 その主な理由は次の 2 つです。
1. 自動化技術は定着しつつあり、 今後もこの傾向は続いていくと考えられます。
CFO は財務部門の最高責任者として、多くの財務プロセスやタスクに AI を活用する権限を持っています。 米国企業を対象とした調査では、財務部門のマネージャーの 24% が現在 AI を使用しており、さらに 50% が今後 3~5 年以内に AI の導入を検討しているという結果が出ています。
2. CFO には、データ活用に伴うコストを気にかけるだけでなく、ビジネスの変革にも関与することが求められています。
CFOは、「金銭に見合う価値」という視点で評価を行う責務を担っていることから、AIへの投資を監督する必要があります。多くのCIO(最高情報責任者)はCFOの監督下にあるため、CFOはデジタルトランスフォーメーションに関連するプロジェクトを主導していなかければなりません。こうしたプロジェクトには、各種タスク、プロセス、頻度の高い反復作業(サーバーの再起動、ネットワークの監視、ユーザーパスワードの配布、トラブルチケットの取得と監視、サイバーセキュリティの脅威の検証と優先順位付けの支援など)におけるAIや自動化の適用などがあります。CIOなどのシニアリーダーからAIへの投資の提案があった際には、CFOはその取り組みを推進するだけでなく、財務評価に見合った技術戦略を組み立てていく必要があります。
「AIで財務を変革し、組織のAI活用に際して賢明な投資アプローチを実現するためには、CFOのリーダーシップが不可欠です」– MIT Sloan (2020年)
財務部門における AI の可能性
CFO が AI 技術の推進を舵取りできるようになれば、自分自身や企業に新たな成功への道を切り開くことが可能となります。 プロセスの改善や時間の節約に向けて、財務分野で AI をどのように活用できるかを検討してみましょう。
会計
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給与
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